県立富士山世界遺産センターは、世界遺産の富士山を訪れる人たちに、富士山の普遍的価値に関する情報発信をするほか、保存管理の中心的な役割を担う。これまで富士ビジターセンターとして親しまれてきたが、2016年6月22日に北館と南館(新設)からなる富士山世界遺産センターとしてリニューアル。
北館は、富士山や山梨県内の観光情報を紹介するインフォメーションがある。さらに、展示室では富士山の自然に関する情報、ガイダンスシアターでは富士山の自然や文化、噴火史を映像で学ぶことができる。晴れた日には展望広場で雄大な富士山の姿を望めるほか、館内にはオリジナルグッズを販売するショップやカフェが併設されている。
南館は、富士山の自然と人との関わりを体感できる。円形状の展示室には富士山を全方向から見ることができる巨大オブジェ「富嶽三六〇」があり、富士山の四季や一日の時間の流れを照明演出で表現。1階の床には富士山を中心にした直径21.5mの地図で構成資産と富士山文化の広がりを知ることができる。さらに上を見上げると富嶽三六〇の内側にスクリーン「胎内ビジョン」が設置されており、富士山の女神伝説や信仰、富士山を描いた芸術を紹介している。二階は中央の大部分が吹き抜け状になっており、富嶽三六〇が真ん中に鎮座。富士山中腹に今も残る信仰の道「御中道」をイメージした「御中道回廊」には、世界遺産登録までの歩みや、約1万年前から現在に至るまでの富士山の歴史を紹介。さらに、火山活動などの富士山ならではの自然環境と人々の関わりを映像で見ることができる。
富士山世界遺産センターでは、スマートフォンを活用したガイドも取り入れている。

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