外観

 長坂町郷土資料館 

  「人生は一の流れである。 ――流れの存在は確実で、 その囁(ささや)きと光りは無限である。 これ実に、 我ら祖先先輩の霊の交響楽である」
 これは、 北巨摩郡長坂町旧秋田村出身の堀内柳南(りゅうなん)(1873〜1932)が、 自ら編集した郷土地史 「北巨摩郡勢一班」 の序文に寄せた言葉である。
 長坂地域は江戸末期、 寺子屋や私塾が10ほどあるなど、 八ヶ岳南麓では“信濃教育”の影響で、 昔から教育に関心が高かった。 柳南は、 北巨摩郡教育界の中心人物として活躍、 大正12年には同町大八田の清光寺に教師250人を集め、 芥川龍之介らを講師に招き夏期大学を開くなど、 当時から生涯教育に取り組んでいた。 しかし、 柳南に関する資料は少なく、 その生い立ちなどは明らかになっていない。
 長坂町郷土資料館では、 長坂町内の寺子屋で使われていた教科書を並べた 「長坂の教育」 コーナーに、 柳南に関する数少ない資料を展示。 今後も収集、 研究を続け、 柳南に関する特別展示を企画している。
 同資料館は平成7年6月の開館。 常設展ではほかに、 同町大八田の柳坪遺跡などの縄文土器から中世に至る出土遺物、 「長坂の灌漑(かんがい)用ため池」 の資料、 土スルス(土製のモミすり器)などの農具を展示している。
 同館では企画展示に力をそそぎ、 これまでに 「長坂−戦争の記憶展」 「八ヶ岳南麓昭和30年代の農村風景を撮る」 写真展などを開いてきた。 「長坂と鉄道」 展では、 同町にある3つの駅の歴史とその影響、 旗掛松裁判(大正期の公害裁判)などを掘り下げている。 また、 企画展に関連した講演会や民俗記録映画の上映会も開いている。

展示風景

入館料 一般200円 小中学生100円
(20人以上の団体割引あり)
開館時間 午前9時〜午後5時
休館日 月曜日・祝祭日の翌日
12月28日〜1月4日
駐車場 4台
交通機関 JR中央本線長坂駅から徒歩20分、車で5分/
中央自動車道長坂ICから3分。
住所
電話番号
山梨県北杜市長坂町大八田3509-1
0551(32)6486

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