外観

 都留市商家資料館 

 井原西鶴の「好色一代男」などの作品のなかに「郡内縞」の名がたびたび登場するように、郡内地方はかつて養蚕、絹織物が盛んで、全国的に知られていた。なかでも旧谷村町(現・都留市)は、のちに甲斐絹と呼ばれる「郡内織」の集散地として一時期隆盛を極めた。
 都留市商家資料館は、平成5年、国内はもとより台湾や中国などを相手に代々、 甲斐絹仲買業を営んでいた仁科家から寄贈された同家の主家を、都留市有形文化財に指定、資料館とした。この主家は大正10年ころ、当時の主で谷村町議も 務めた仁科源太郎氏が建てたもので、間口8間、奥行6間の土蔵造り。関東大震 災など数々の災害を免れて現在に至っている。
 古銭、竹製の酒器、保温のできる「おひつ」、ケヤキの重箱、甲斐絹に関する 資料、からくりだんすなど市内の有志が収集した江戸から昭和初期までの生活用 品など100点以上を展示しているが、メインとなるのは建物そのもの。障子の組子模様
 間取りで特徴的なのは、通りに面した、店先と積荷のための16畳の「玄関」。そして色ガラスをはめ込んだ窓も美しいと洋風の応接間「客間」。西洋文化が入 り込んだ大正時代の面影をよく残している。クリの台木、ヒノキの柱、ヤクスギ の天井など豪華な建材が使われているほか、建具も凝ったつくりになっている。
 障子は、二重になっていて夏には風通しのよい千本格子に早変わりするもの、 桟が斜めになっていてほこりがたまりにくい「チリ返し」など、最近ではお目に かかれないものばかり。特に目を引くのは、奥座敷の出窓の障子。接着剤を一切 使っていない、約80年前の職人技の光る「組子」で装飾されている。洋間のド アはケヤキの一枚板。そのほか展示物については、河西館長が丁寧に説明してくれる。
 年に数回、特別展を開く。これまでに「菓子器展」「 明治・大正のおもちゃ展」などを開き好評を得た。


展示風景

入館料 無料(50名以上の団体は要連絡)
開館時間 午前10時〜午後4時
休館日 月・水・金曜日(祝日は開館)
祝日の翌日
12月28日〜1月4日
館内整理日
駐車場 20台
交通機関 富士急行線谷村駅下車徒歩5分/
中央自動車道都留 I.C.から5分
住所
電話番号
山梨県都留市上谷3-1-20
0554(43)9416

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